2024年2月の出来事
写真:今年も某漁港にやって来たミユビシギの群れのうちの2羽. 50羽ちかい群れでスロープに生えた海藻で何かを採餌しています. 以下は今月のX(旧Twitter)投稿より引用し追記します. 投稿日が投稿内容の観察日ではない場合もあります. 1日 『レスポンシブル・カンパニーの未来:パタゴニアがこの50年で学んだこと』イヴォン・シュイナード/ヴィンセント・スタンリー著の日本語版が出ました! 「伝統的資本主義が人びとや地球のためにもはや機能していないこの時代、なぜ、どのようにしてビジネスの構造を再考すべきかという、シンプルかつ力強い助言。パタゴニアの企業理念ディレクターであるヴィンセント・スタンリーとパタゴニアの創業者であり元オーナーのイヴォン・シュイナードは、同社での50年の経験をもとに、文化と気候が混沌としている今の時代、ビジネスを再考することを企業経営者やリーダーに迫る。」(パタゴニアホームページより)といった内容です. 私がこの前作の「レシポンシブル.カンパニー」を読んだのは出版されて間もない2013年でした. 10年前ですが,カヤックツアーを行っている自分がこれを読む必要性があるのかどうかは読んでみてすぐに「必要」と分かりました. 元々パタゴニア社のファンですので,更に前に創業者のイヴォン・シュイナード氏によって書かれた「社員をサーフィンに行かせよう」なども愛読していましたので,パタゴニアの経営理念や仕事に対する考え方は共感する事が多かったので,それら全ての本で共通している「環境を考えないで仕事ができるはずがない」というような考えに強く賛同していますので,内容もスッと入って来るようなものでした. 過去30年ほどパタゴニアの製品を使って,カタログも毎号読んでいましたので,そこに書かれていた事,製品の環境に対する最善を尽くしたカタチから理解していたものが,まとめられて本になったという感じでした. つまり,過去のカタログ(と製品の環境ポリシー)が既に環境に対する考え方を啓蒙するものであったという事で,パタゴニアが訴えてきたことを聞いていると自然に環境に対しての新たな視点が自分にも加えられて行くという事を感じていました. 私が最初にパタゴニア製品を買ったのは,全くのたまたまで,カナダ西海岸のバンクーバー島を自転車でツーリングしながらクジラを見て巡る旅に出た時でした. 当時22歳でしたが,学生時代は全く勉強を真面目にしていなかったので英語が全くと言えるほど話せない状態での初めての海外,そして一人旅で,バンクーバーで飛行機を降りました. 当時はインターネットもありませんから,「地球の歩き方」という当時ひとり旅行に行く若者の必須情報源を頼りにユースホステルとキャンプ場を利用しながらの旅でした. 気候はだいたい調べていたわけですが,到着した8月の末は既に思った以上に涼しく,ろくな衣類を持ってきていなかった私はアウトドアショップを探しました. バンクーバーの都市部から外れたエリアで主に居住区となっている地域の通りにあったアウトドアウェアが並んでいる店に入りました. そこでセールの籠に入っていたのがパタゴニアのアンダーウェアでした. 実は私はそれ以前はオートバイのオフロード競技をやっていて,学校では身体を鍛えるのにちょうど良いだろうと考えてワンダーフォーゲル部に入っていたのですが,アウトドアというカテゴリーはあくまでバイクの練習や競技で遠出する時に車中泊する場合に便利な道具をアウトドア関係のものから探したり,あとはワンゲルですから,山登りのお店には行ったことがあるので,そこでどんなものがあるのかは知っていましたが,なにせ古臭い考えの部でしたので,ニッカポッカにキスリング,ホエブスといった古典的な道具を使うよう指導されていた為,最新の衣類には疎かったのでした. むしろオートバイの競技のウェアでは当時丈夫で乾きやすい化繊の素材が主で,一部ゴアテックスなども使われていたりしましたが,今考えるとそれほど快適なものではありませんでしたがその時代の最先端の素材が用いられていたわけで,当時使用していた山登りの原初的なウェアと比較してみると50年くらいの開きがあったのではないでしょうか? しかし実際は市場に先端技術を用いたウェアがあったのですから,私のいたワンゲルの先輩方の脳みそが古かっただけとも言えますが... ですから山登りのような,当時アウトドアという言葉ではあまり表現されていなかったような世界にも,もっと良いものはあるらしいという事はワンゲルの友人の話から少し分かっていましたが必要を感じていなかったのでした. 今考えればオフロードバイクのウェアは当時の最新の登山,もしくはアウトドアの衣類を使えばむしろ快適だったはずです. 写真:この日は海浜植物の記録を取るために自転車で海岸を走りました. そんなわけで,特に知識なくアウトドアウェアと言えるものはほとんど持たずに出かけたカナダでパタゴニアというセール品を見つけたのでした. これから旅行でお金がかかるのでサイズは合っていないけれど安くなってるし,着るものは必要という事でパタゴニアのキャプリーンというアンダー上下とシエラデザインズというブランドの,これまた売れ残りでサイズの大きなフリースを買いました. フリースは当時まだ日本で着ている人は見たことがありませんでした. 毛布みたいな服で暖かそうだと思いましたが,実際に旅行中は随分これに助けられました. 道中で風邪をひいて一日テントで寝込んだ時も助かりました. 当時はまだ若かったですので,身体が丈夫で寒さにも強かったので,このアンダーとフリースを着てればどこに行っても寒くないなと思うくらいでした.(そういえばこの時フリースという言葉も知らずに着ていました) こんなわけで,たまたま買った初めてのアウトドアウェアのひとつにパタゴニアが混じっていました. パタゴニアのタグを見て,少し前に読んだ椎名誠の「パタゴニア」が浮かんで,あの厳しい環境のパタゴニアにある会社が作った下着ならよほど暖かいのだろうと思ったのが懐かしいです.(パタゴニアが南米のパタゴニアにある会社ではない事を知ったのはいつだったろう?...) 日本に帰ってからシーカヤックを本格的に始めようとした時に,今度は先の友人と同じく高専時代の同級生でアウトドアショップに勤め,なんと知らぬ間にシーカヤッカーになっていたサイトウくんと会う機会が増えました. サイトウくんはアウトドアショップで様々な最新の道具やウェアに囲まれて生きていましたので,非常に情報量が多く,そういうのに疎い自分には大変参考になりました. 特にその後実際にシーカヤックを始めて感じたのは着ているものが場合によっては生死を分けるという事でした. 実際,初心者の頃に春の風吹く館山湾を漕いだ時にハイポサーミアになり,ひとりで漕いでいましたし,当時ひとり暮らしでしたし,今思うとかなりヤバかったという経験をしています. この時,感じたのが上記のことでした. 寒さに強かった(つもり)の自分でしたが,それ以降はウェアについてかなり慎重になりました. その頃既にサイトウくんの勧めを聞きながらパドリング関係のウェアを少しずつ揃えていきました. その当時パタゴニアがカヤック関係のウェアも作っていたので,シーカヤッカーご用達のスカノラックはじめパタゴニアのウェアも含まれていました. パタゴニアは今ではサーフィン用のウェットスーツを随分作っていますが,当時はむしろサーフィン用は無く,パドリング用のものだけでした. パタゴニアのウェアは丈夫で温かく,デザインの細部も拘っていたり色などのセンスも独特で好みでした. 実はサイトウくんもワンゲルのサカイくんも工業デザイン学科時代のクラスメイトで,私も自動車やオートバイのデザイナーになりたいと思ってその学校を選んでなんとか入学したのですが,デザインが好きなだけではデザイナーになれなそうだと感じてだんだんとそれを諦めてしまい学生時代はろくに勉強せずオートバイの競技に一生懸命だったという感じでした. そんなこともあって,もともとデザインについて考えるのは好きなのです. 衣類のデザインはファッションとして捉えられるのが普通で,つまりオシャレについては全くどうでも良い自分にとっては興味の対象ではありませんでしたが,パタゴニアのウェアは本来実質的であるはずのオートバイのウェア以上にそのカタチがファッションではなく工業製品と同じような考えと発想でデザインされているという事が明確で,それも好きでした. 写真:越冬中はのんびりしていたイソヒヨドリも繁殖シーズンを前に段々と活発になってきました そんな感じで私がパタゴニアを知り始めた頃がちょうどパタゴニアがペットボトルのフリースを発売した頃で,それはかなりの驚きだったのですが,自分が買う必要のあるパドリングウェアにはまだリサイクル素材は用いられていませんでした. そしてやはり衝撃的だったのは1996年以降のオーガニックコットン製品の展開でした. コットンのオーガニック生産の必要性について詳しく説明してあったパタゴニアのカタログを見て,とても納得したと同時に今まで履いていたジーンズやTシャツにそんな背景があると知って驚き,そして嫌悪感が湧いてきたのもよく覚えています. それ以降,出来るだけパタゴニアのオーガニックコットンを選ぶようになりました. 買い物は投票であるという考えは現在だいぶ定着してきましたが,オーガニックという言葉もいまひとつ知られていなかった,その時代に先進的な環境基準の製品を選ぶ意味を知ることが出来たのはパタゴニアの啓蒙と製品があったからです. ですから大袈裟なようですが,「未来のものを今手に入れた」という感覚がしました. そして「未来の考えも知ることが出来た」と感じました. 実際,30年近く経った今の時代をみれば,それが大袈裟でない事は確かめられます. もちろんオーガニックだからといって着た時にも見た目にも何か違うわけではないのですが,その中に込められた事実と苦労とヴィジョンからそれが革新的なものとして強く感じられました. その頃に買った頑丈なワークシャツは今でもよく着ています. 1999年のパタゴニア目白店の10周年記念イベントで関係者たちの前でイルカとカヤックの話をさせていただいた時にパタゴニアに敬意を表する意味でそれを着たのも懐かしい思い出です. 私の方はちょうどシックスドーサルズの開業した頃で,週末は館山,平日は東京と行き来しながら暮らしていた時期でしたので,目白店には時々買い物に行って店員さんと仲良くなった頃でした. それでちょうどイベントがあるので「イルカの話を」という事になったのでした. 店員さんとイルカの話になったのは私が色黒だったからだったような記憶があります,たいていそのパターンなのですが「なにかスポーツをやっているのですか?」という話のとっかかりになるわけです. その時代に色黒というとサーフィンかスキーかゴルフといったところでしょうか. 私が「シーカヤックで,館山で,イルカがいますよ」といった事を話すと,なんとその店員さんもシーカヤックをする方だったのです. その店員さんがその日「ちょうど御蔵島でイルカを調べているところから冊子が届いてますよ」と見せてくださったのが御蔵島イルカ研究会の発行した個体識別調査に関する小さな本でした. そして,ページを捲っていくと御蔵島からいなくなった個体のリストと写真がいくつか載っていました. それはとても小さな写真でしたが,館山にいる個体にそっくりな傷が見えたのでした. それを基に御蔵島の研究会と連絡を取った事で館山にいたイルカのうち4頭までが御蔵島出身だと判明したのでした. そんな不思議な出来事が起きたその時に目白で買ったペットボトルリサイクルのフリースも今でも部屋着として着ています. その後は幾度もパタゴニアのスピーカーシリーズで他店舗含め,南房総でのイルカとカヤック,ウミガメの産卵の話などをさせていただきました. おかげで人前でお話しする事にも慣れて,その後の活動に随分と役立ちました. そんな風な縁もあってパタゴニアを長年愛用していますが,なによりその環境に対する姿勢を崩さず,むしろ細部まで探求している姿には本当に敬意を持っています. このレスポンシブル・カンパニーの著者のひとりヴィンセント・スタンリーさんには幸運なことに同業者の紹介でお会いする機会を得ました. 南房総でのウミガメの産卵調査に関する話を食事をしながらさせていただきましたが,大変喜んでくださっていて,この活動に賛同の意を示してくださいました. その時に著書に書いて下さったサインには「with respect, admiration and gratitude for what you are doing to defend nature in the place you love」,「あなたが愛する土地の自然を守るために行なっていることに、敬意と賞賛と感謝を込めて」と書いて下さいました. 今もこれを見る度,自分がやってることはきっと無駄にならないと思うことが出来,本当に心強く感じています. あれからずっとパタゴニアが変わらずに,同じところを貫いている姿を見る度に,「地球環境をなんとか維持しながら生きていけないものかと出来るだけの事をやってみる」という姿勢を学び,自分の活動とツアーでも出来るだけそれを倣ってきたつもりです. 写真:富士山と平砂浦の美しい波. 製品としてそれを形にすることは,ソフトを売っているカヤックツアーでは出来ないですが,うちの場合はツアーと並行してローカルエリアの海岸環境を記録し,問題のある改変が起きた場合には役所などへ質問したり,講演の依頼を頂いた時やツアーの中での自然物紹介の中などで啓蒙の機会を設けるようにしてきました. またツアーを少人数制にしている利点が環境負荷を減らす事に役立っていると考えています. 数十人のツアーでどこかの砂浜に上陸すれば,まずそこを訪れる人々に圧迫感を与えますし,ビーチコーマーには邪魔になりますし,景観を撮影する写真家の方には被写体を台無しにするということもありますから,海岸にズラッとカヤックを並べるという事もありません.(ただ大学の授業で行ったカヤックの実習では稀にそういう場面がありましたが...) これはヒトに与える環境負荷というか不快感ですから実は二の次なのですが,実際にはその環境に暮らす生き物への配慮が第一としての配慮となっています. シーカヤックで上陸する海岸は出発地になりやすい半人工環境に比べ自然度が高く,大小様々な生物の生息地になっています. 事前にツアー業者がアセスメントのための調査を行うケースは少なくとも日本では無いでしょう. であれば,最低限のサイズでツアーを行い上陸前にも上陸地の海岸に我々が負荷をかけてしまう可能性のある生物の棲息がないか,特に繁殖を行っていないかを探ったうえで上陸するマナーが必要です. それは事前の日常的な調査と当日現地での確認で二重に行ってもまだ心配なくらいなものです. 楽しくシーカヤックで上陸した素晴らしい海岸で例えばチドリの卵や雛を誰かが踏み殺してしまったらどうでしょう? そのツアーは台無しです. 生きているだけで生き物の負担になっているヒトという生き物の姿を省みる機会にはなるでしょうが,希少生物を殺した事は取り返せません. シーカヤッキングに限らず,アウトドアアクティビティにはどれも全てそういったマイナスの問題が加わる可能性があります. それをまず簡単に良い方に変えられるのはツアーサイズを抑える事です. 数が少なければ気づかずに問題を残す確率は自然と低くなります. ツアーサイズを抑える事で顧客の安全も高まり,コミュニケーションも深くなります. サイズを抑えれば儲けは少ないですが,消費も少なく済みますし,柔軟性も維持できます. 何人も雇って,何十人もの参加者が海の上を人力で往くというアクティビティで稼ごうと考えるのはプレッシャーが大きくなり危険です. 多少海が厳しい日でも経営の為に危険な海でお客さんに頑張ってもらうということが,どこかで起きていないでしょうか? 小ささを維持する事で環境にも良いツアーになるのですし,顧客に対しても自然とレスポンシブルになれますし,いろいろな意味でサスティナブルに近づけるという事になると考えています. それに加えて日常的なフィールドの調査があれば尚良いですし,その延長でそこに棲息する生物の知見を蓄え,その生息環境に問題が起きれば,それまでに蓄えたものがその生き物の保全にすぐにフィードバック出来る事になります. こういった役目が現地自然ガイドにはあると考えています. 観光バスのガイドさんが時々研修で観光地の勉強をしに来ている様子を見かけますが,自然ガイドがそのレベルではそもそもそのフィールドを知らな過ぎているわけでツアー運営の安全を十分に確保できないはずです. その点でもローカルエリアだけを案内する意味があります. ガイドが時々しか行かない場所を付け焼刃で案内するのは無責任ではないかと考えて,シックスドーサルズでは南房総エリアだけでガイドを行っています. このような考えに至ったまでに,この「レスポンシブル・カンパニー(責任ある会社)」にはとても影響を受けたと感じています. 「レスポンシブル・カンパニーの未来」パタゴニアオンラインショップ 当日の投稿 写真:四半世紀前のシャツに書かれた未来. 6日 カヤック日記更新致しました. だいぶん更新が遅くなり12月の分です. ホームページ内 Bloggerにも掲載してあります. スマホで表示に不具合がある場合は横画面でお願いします. Blogger どうぞよろしくお願い致します! 写真:この冬,毎回同じ場所で見かけるダイゼンたち. 当日の投稿 8日 冬も元気なツルナ群落を見ると肥料となる海藻が沢山絡みついています. 受動的に摂取するだけでなく自らに海藻を絡めて捕獲しているようにも見えませんか? 葉表面のザラザラも一躍買っているような. 漂着する有機物を残さないと海浜植物が広がらず,結果として海岸の砂が定着しにくくなるので漂着物はとても大事です. 当日の投稿 10日 もうずっと更新していないホームページ内のストランディングのページに,自分の関わったザトウクジラの漂着についてまとめてみようかと思い立ち過去の写真を少し引っ張り出してみたのですが,思ったよりも時間がかかりそうです.(現時点で挫折中…) ストランディング調査での自分の役目として出来るだけ新鮮な状態を観察し写真を撮れるのが海辺に住んでいる利点なので,可能な限り早く現場入りして鮮度の良い状態の記録を出来るだけ残すことと考えています. 標本については予め国立科学博物館の動物研究部(田島木綿子先生,山田 格先生)に必要を打診してから採取します. そして標本は全て送ってあるので,写真以外手元にありませんので,見せてあげたくても見せてあげられませんので悪しからず. いつか役に立ったら嬉しいです. 投稿した写真は外部寄生生物たちです. ストランディングのページ(シックスドーサルズホームページ内)はこちら. 以下の他にも冬のカヤック日記にはザトウの漂着について書いてあるページが結構ありますので,お暇な時に探してみてください. 2023/12のザトウの記事 2016/1のザトウ×2の記事 当日の投稿 10日 記録としてYouTubeに「漂着ザトウクジラ付着生物(オニフジツボ,ミミエボシ) 2023年12月18日 南房総市岩井海岸 + 2024年1月15日 南房総市和田浦海岸」をアップしました. 追記:これは勉強になります!「クジラに付着するフジツボたちについて」かめふじハカセの本草学研究室 当日の投稿 写真:まるで自分で餌(肥料)となる海藻をかき集めたかのようなツルナ. 17日 単独で波打ち際を何やら忙しそうに動き回って採餌らしき行動を繰り返していた若いユリカモメがいました. 帰って写真を見てみたらヒメスナホリムシという甲殻類の類を食べようとしていると見える場面が写ってました. ユリカモメの脚を食べ物と認識して寄って来るヒメスナホリムシを採餌するのだったりしないでしょうか? ヒメスナホリムシは波打ち際のごく浅い場所で我々の足を齧ったりする小さいけれど獰猛な生き物ですが,以前には子海ガメに多数で食らいついているのも見たことがあります. この時は産卵巣の調査でをしていたのですが,巣の中から生きた子ガメが出てきたため,巣から歩かせて海に返したところでした. ウミガメの子がどの程度ヒメスナホリムシの影響を受けているのかは興味深いと思います. 追記:「ヒメスナホリムシ」で少し検索してみたら,こんなのがありました. 痛そう... PDF:生鮮な人肉をヒメスナホリムシに与える―観音崎産等脚目・端脚目甲殻類4種の飼育事例― 更に追記:浅瀬の波打ち際で素早く足踏みするような動作をしながら何かを採餌しているカモメ類の動画が見つかりました. 今回私が観察したユリカモメと同じような採餌の仕方に見えます。 積極策でしょうか? 面白いので是非観てみてください. 投稿には以下のようにあり,採餌行動であることは分かっているようです. 「In a way, the gull dance is already a classic. We have already seen dancing on grass, concrete, stones and now dancing on sand. I don’t know what worms are lurking on the beach, but it seems to be working.」 「ある意味、カモメのダンスはすでに古典的なものだ。 草の上、コンクリートの上、石の上、そして今度は砂の上でのダンスをすでに見てきた。 浜辺にどんな虫が潜んでいるかは知らないが、効果はあるようだ。」 当日の投稿 20日 カヤック日記更新致しました. 2024年1月のカヤック日記です. ホームページ内 Blogger内 どうぞよろしくお願い致します. 投稿の写真:1/15和田浦に打ちあがったザトウクジラ.と,つまみ食いをしに来たカラスとトビ. 当日の投稿 21日 ストランディング現場の事例としてYouTubeに 「ザトウクジラのストランディング(死骸漂着) 2024年1月15日(撮影1月16日) 南房総市和田浦海岸」 をアップしました. こういう出来事で感じる事は人によって様々と思いますが,何か海のことについて考えるきっかけや,クジラについての疑問など,それぞれ何かお役に立てば幸いです. 当日の投稿 写真:先月漂着した和田のザトウクジラの尾部. 矢印のところにあるいくつかの皺がもしかしたら胎児線という胎内にいた時の姿勢で出来る皺なのでは?と考えました. 25日 もうそろそろ海岸でチドリの繁殖活動が始まります. 日本の海岸でも"Share the Shore"を意識してお願いいたします. 犬を連れて海岸に行く方,良く知らない海岸に海からアクセスするカヤッカーは特にご注意ください. Audubon New York 当日の投稿 27日 先日のスナハマハエトリの報告に続き、今回はクモの研究者、馬場友希さんと共著で海辺に暮らすクモの事を報告しました。 イナズマクサグモっていうカッコイイ名前のクモです! 港に漂着し,すっかり乾燥した海藻類に複数が巣を張っていました. 漂着物の臭いに誘われて寄って来るハエを捕食していました. 海辺のクモはまだまだ調べられていないニッチな存在のようなので,馬場さんにアドバイスをいただきながら今後も記録報告していきたいと思っています. 馬場友希さん(@Baboon_sai)の投稿 当日の投稿 28日 この日は平砂浦で海浜植物の状態を記録してきました. 道中には富士山がはっきり見えて,ミサゴは飛んでくるし,モダマが漂着していたりという日でした. 追記:忘れられがちですが館山から富士山は意外と近いのです. 山頂まででほんの100㎞ほど. 当日の投稿 28日 「海洋投棄された廃タイヤがヤドカリを捕殺している」という記事を見つけたのでシェアしました. 地味に恐ろしい事態だと思います. タイヤは分解されることがほとんどありません. 砂浜にあるものも浅瀬にあるものも数十年ずっとそのままの形をしています. そして人の目に触れるものはほんの一握りです. タイヤを資源ゴミとして高額で購入する会社が出てきてくれないでしょうか? 以下,本文より 「海洋投棄された廃タイヤによりヤドカリのゴーストフィッシング(幽霊漁業)が起きることを明らかに」 「実験的に海底に設置した6基の廃タイヤに 1 年間で1,278匹ものヤドカリが侵入していた。」 「タイヤの内側は「ネズミ返し」のような構造で、表面の凹凸もないことから、タイヤの内側に侵入したヤドカリは脱出することができない」 「ヤドカリは沿岸生態系の物質循環に重要な役割を果たしている」 日本の研究.com「海洋投棄された廃タイヤがヤドカリを捕殺している」プレスリリース 掲載日:2021.11.05 弘前大学 当日の投稿 29日 この日の千葉県東方沖の頻度は気になりました. 千葉県東方沖から内陸にかけて,その後も群発地震が続きました. 「国土地理院(茨城県つくば市)が、房総半島沖でプレート(岩盤)境界がゆっくり滑る現象「スロースリップ」を検出したと発表。」とのことです. これを書いている3/5の時点ですっかり終息したように感じられますが,何処に影響が出てくるのか気になります. ウェザーニュース@wni_jp「地震情報 2月29日 18:35 震度4 震源:千葉県東方沖 M4.9 深さ約20km 千葉県、5日未明から早朝にかけ地震4回 県東方沖、県南部震源、震度2―1 千葉日報 2024年3月5日 10:38 当日の投稿 写真:ミサゴはこの冬も各所で見かけますが積極的な記録はとっていません. お知らせ 6DORSALSのSNSリンク 随時活動報告,南房総の海の風景をお伝えしております. 是非フォローお願いいたします! ポッドキャスト(インターネット音声配信)を始めました 運転をしながら,仕事で作業をしながら,音でブログを気楽に「読んで」頂けるようにポッドキャストでの配信を始めました. 文章では書ききれなかった事なども録音時に思い付きで加えてあります. その他に波音などの海辺の環境音,海に関わる人のお話しなどもご紹介しております. 是非お気軽にお試しください. 「南房総海音日記」Spotify 過去の日記一覧へ 表紙へ戻る |